チョコクランチ
外に出れたものの、いつもの道ががれきで
塞がれてしまい、
家の壁と壁の間をすり抜けるようにして
出て行きました。
駅に向かう道に出ましたが、
建物は崩れて、
道路がせり上がり、
線路が曲がっていました。
見たことのない、街の景色に
これは、ウチだけでなく、
街中がえらいことになってるんだ!
と、気づきます。
とにかく、近所の友達の家に向かうことにして
進んでいると、
公衆電話のところで、学校のセンパイに会いました。
仲良くさせてもらっていたセンパイだったので、
「大変なことになってますね、
こんな時は、チョコレートです!」
(写真はもちろん、当時のものではありません)
と、さっきポケットに入れたチョコクランチを渡しました。
どこまでも、のんきなワタシ…
現実感がなく、映画の中にいるみたいな感覚だったのを覚えています。
当時は携帯電話も普及してなくて、
家の電話が通じなくなると、もう連絡手段が
限られていて
公衆電話でかけようと思っても
これもなかなかつながらない状態でした。
友達の家に行きましたが、家にはいない子もいましたが、
たまたま道で会えた子と私の親戚の家に向かいました。
親戚は家ではなく、商店街の近くに車を停め
待機していました。
今思えば、友達や親戚と、よく会えたなと…
車で待機してる時、そのミニバンのドアは
開けたままで、
(この後の行動を大人たちが相談してくれてたんだと思います)
待ってる間中、周りの空気はガスの匂いが
濃くなってきていました。
どこかから「タバコ吸ったらアカンぞ」と
声が聞こえてきます。
親戚が、小学校に避難することを決め、
みんなで移動することになりました。
…つづく
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